|
 |
 |
 |
■毛彫り(けぼり)
線状の彫りのなかでも最も基本的なもの。鋭く先の尖った刃を用い、細い毛の様に線を彫っていく技法。 |
|
 |
 |
 |
■蹴り彫り(けりぼり)
先の四角い刃を用い、刃の角を使って刻み込みます。蹴り進むように連続した線が繋がります。強弱線の組み合わせや、蹴りのリズムによる技術者の表現が見所。 |
|
 |
 |
 |
■魚々子(ななこ)
連続した細かな円を刻む技法。連続した粒粒が魚の卵に似ています。文様をひきたて際立たせるため、図柄の周囲に打ちこむことが多い。寺社や仏壇で見られます。
|
|
 |
 |
 |
■高肉彫り(たかにくぼり)
金工品の素地肌を、立体的に起伏をつける彫りの一種。打ち出したり窪めたりします。刀剣の目貫金具や、帯留めでよく見られます。他には、図案を立体的に見せるために彫り崩す
(彫り取る)技法や、肉を鋤(すき)取る鋤彫りもあります。 |
|
 |
 |
 |
■片切り彫り(かたきりぼり)
四角い鏨の刃の角を使って、水墨画や書にある筆使いを彫りで表現します。文字の跳ねや止めなど、まるで毛筆を用いて書いたように見えます。 |
|
 |
 |
 |
■地彫り(ぢぼり)
肉の厚い金属板、もしくは金属塊を彫り削りとり、立体的な文様を無垢に表現する彫金技法。 |
|
 |
|
 |
■象嵌(ぞうがん)
金工品の肌に、別種の金属の線、ないし薄板を嵌め込み加飾します。窪みを掘って嵌め込む「平象嵌(本象嵌ともいう)」、タテヨコに細かな目を刻んだ跡に打ちこむ「布目象嵌」、透かし抜いた図案の穴にピッタリ合わせ嵌める「切り嵌め」等があります。京土産で有名な京象嵌は布目象嵌で、武具刀剣への装飾に多く用いられました。 |
|
 |
いずれの技法も、芸術的表現の手法として使い分けています。一つの技法を単体で用いるだけでなく、いくつかの技法を合わせて表現することも多々あります。動物モチーフを高肉彫りに、その文様を片切り彫り、毛並みを毛彫りに、色あいを使いわけるのに平象嵌を施すなど、合わせることにより表現度が増す場合があります。近世では、加納夏雄、海野勝民などが名人といわれました。 |