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■鋳型(いがた)作り
伝統的な鋳金技法に用いられる鋳型は、主に砂、粘土を材料として作られます。砂や土を焼き、粉にしたあと「真土(まね)」という鋳型材料にします。作品の原型となる形を、蝋を使って製作します。伝統的鋳金の一つ「蝋型(ろうがた)」技法。ミツバチの巣から出来る「蜜蝋」に松ヤニを混ぜて蝋型材料にします。暖めて柔らかくし成形したり、彫刻したりして精密な原形を作り上げます。 |
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この蝋で出来た原形を、土で覆い加熱すると蝋が溶け出し、原形に忠実で精密な鋳型(金属を注入するための空間)が出来ます。鋳型を一つ作るのに、蝋の原形を一つ用意します。非常に精密な作品が成形できますが、量産には向いていません。成形後、型を焼締めます。
また、原形を利用せずに、真土そのものを直接成形し鋳型を作る「惣型(そうがた)」技法もあります。柔らかい状態の真土を削ったり、木型を押し当てたりし、鋳型を成形します。梵鐘や茶釜は、この技法を用いて成形します。成形後、時間をかけて乾燥します。
ほかに、単純な形の物を量産する場合に用いられる「砂型(すながた)、生型(なまがた)」などがあります。近世になって西洋から伝わった技法で、水道管などを製造します。ここでは京都の伝統的技法を紹介していますので、あえて省略します。
型の製法から分けてご紹介しました。型作りは原形製作、真土の成形への努力だけでなく、実際の作品になる部分隅々にまで溶解した金属地金が行き渡るように、うまく計算せねばなりません。 |
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■鋳込み(いこみ)
技法の種類による違いはあまりありませんが、溶解する金属素材の種類、型の大きさ・形状、鋳込み時の気温、型の温度などにより、湯(溶解した金属)の温度を調節します。これは、経験、カンや綿密な計算によって温度を決定します。湯温が高すぎては肌が荒れ異物が混入しますし、低過ぎては湯が隅々まで行き渡りません。 |
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■ばらし、仕上げ
湯が冷え固まった後、鋳型をばらします。取り出した作品は未だ、高熱による酸化皮膜に覆われ、バリや湯口(注入口の跡)がついています。不必要な部分を切り取り、削り出したりしながら、作品完成に徐々に近づけて行きます。肌の研磨には非常に手間暇を要します。
金属地金をそのまま肌にする以外に、漆や鉄漿を塗ったり、化学反応を利用した着色等を施したりすることもあります。防錆効果や美的効果を目的とします。 |
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